No.1 建物の中の有害物質  その1

2000.10.18

 楽しみにしていた家が完成し、新築の家に移ったとたん体の具合が悪くなったという話を良く聞く。最近、多く利用されている有害物質を含む建材の使用が原因のひとつであると考えられている。
 VOCを含むものとして、合板・集成材など新建材に使用される接着剤壁紙(塩ビクロス)などに含まれる可塑剤・防カビ材・難燃剤塗料に含まれる溶剤敷物に含まれる防ダニ材・抗菌剤(含まれていない場合もある)・・・・などさまざまなところに使用されている。
 殺虫剤、抗菌剤、難燃剤、防カビ剤、防ダニ剤、防蟻剤・・・などとある場合、目的のものに対しては効果があるが、人体にも悪影響を与えると考えなければならない。
 住宅を計画する場合、出来るだけ天然素材(木、土、天然系塗料・・)などを使うのが好ましい。有害物質を出さないことに加え、環境にもやさしい建材であるといえる。気になるのがコストの問題であるが、計画の仕方や工夫しだいではそれほどのコストアップにはつながらない。健康のことを考えれば、検討に値すると考えている。
 どうしても有害物質を含む建材を使わなければならない時は、完成後しばらく建物を放置し、その間よく空気の入れ替えを行った後、入居するというような対策を考えるようにしたい。竣工直後と一ヶ月後では、VOCの放出は極端に減少するという結果が、実験によって確認されている。

自分の生活する空間である。くれぐれもガス室のような家を造り、健康を害さないよう注意したいものである。気が付いてからでは手遅れである。

VOC・・・
ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物VOCが体内に吸収されると、さまざまなハウスシックをはじめ各種の病気を誘発する原因になるといわれている。